膝関節について〜半月板って何?〜

膝関節

今回は膝の痛みについて簡単に説明していきます。

「膝ってなぜ痛くなるの?」

「歳を重ねると膝は変形するの?」

変形に関しては別の項で取り上げます。
以下の投稿でも変形に関しては少し触れているので、参考にしてください。

膝の痛みについて〜階段編〜

そもそも膝は曲げ伸ばしを行う関節です。
基本は膝の変形・炎症がなければ膝が痛くなることはありません。
ではどのような動きが膝を痛めるのでしょうか。

答えは捻じることです。
一般的に捻挫といえば足首ですが、膝でも同様に体重をかけて捻じることで損傷しやすいです。

 体重をかけて壊れる組織は半月板・靭帯・酷いと軟骨です。
これらは待っても治りません。
では全例が手術なのかというとNOです。第一に患者様の希望ですが、手術の目安は重症度です。

スポーツ選手で半月板損傷や前十字靭帯損傷のため全治〇か月ということを耳にします。 


スポーツ選手はパフォーマンスが落ちると選手生命が絶たれるため、日常生活が困らなくても手術を希望するという場合もあるかと思いますが、普通に生活している人は高齢になった場合は膝が痛くなるかもしれませんが今は手術しなくてもいいでしょうということがあるようです。

先ほど言った重症度ですが、半月板では膝が動かなくなってしまう(ロッキング)が生じると生活ができないため手術を勧められます。靭帯は部位によっては断裂すると膝が不安定になるため手術を勧められる場合があります。

ですので、受傷機転が重要になります。半月板・靭帯・軟骨はMRIでしか分かりません。(一部エコーでも確認できます)

上から見た半月板 〜日本整形外科学会HPより抜粋〜

                 

膝関節のMRI 〜日本整形外科学会HPより抜粋〜

                        

膝を捻じって怪我した、膝が抜ける感じがするなどあれば病院を受診することをお勧めします。

半月板の機能

半月板は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にあります。

半月板の機能は以下の通りです。

・膝の動きをスムーズにする関節安定化の役割

・関節の一部に大きな負担がかかることを防ぐクッションの役割


 膝関節の特徴として、丸い大腿骨と平らな脛骨が構成するため接触面はごく一部分に限られています。その部位に半月板が存在することで、接触面積が増大し、クッション機能を果たしています。

半月板損傷の主症状

<急性期・怪我してすぐ>
①痛い
②腫脹(腫れる)
③キャッチング(引っかかり感がある)
④ロッキング(膝が動かなくなる)

<慢性期・怪我して期間が経過>
①腫脹(腫れる)
②水腫(膝に水が溜まる)
③膝が変形する(傷んだ半月板で関節軟骨を傷つけてしまう)

キャッチング・ロッキングという現象は半月板損傷で特に特徴的です。
どのような現象が起きているかというと、

損傷した半月板を大腿骨(太ももの骨)でめくってしまう現象です。

キャッチングはめくるのが軽度で、すぐに引っかかりが外れるものを言います。

ロッキングは引っかかった半月板をすぐに解除することができずに、時間がかかったり、場合によっては医療機関で解除してもらう必要があります。

半月板損傷の診断

膝を怪我したら、まずは症状の確認と徒手検査を行います。徒手検査では、半月板にストレスを加える目的で、膝を捻るMcMurray testを主に行います。

徒手検査・症状で半月板損傷が疑わしい場合は画像評価を行います。
 画像評価はレントゲンではなくMRIを撮影します。レントゲンでは半月板は写りません。MRIでの診断率は80~90%と非常に高いです。

半月板損傷の治療

<保存療法>
①鎮痛薬、関節穿刺(膝の水を抜く)、注射を打つ(ヒアルロン酸等)
②リハビリテーション
<手術療法>
①半月板縫合術
②半月板切除術

上記でも説明したように、半月板は自然に治癒しないため、保存療法は損傷が増悪しないように、もしくは痛みと上手く付き合っていくようにという目的です。

手術療法は2つの方法がありますが、違いは損傷方法と損傷部位です。半月板は血流がある部位と無い部位があり、血流が無い部位を縫合してもくっつきにくいです。

まとめ

膝関節が痛くなる要素は様々です。

膝のどの部分が傷んでいるかで重症なのか、安静にすれば良いのかが変わってきます。

半月板や靭帯損傷はその中でも重傷に分類されることが多いです。

これらのことを踏まえて、膝を捻って転んだ・最近膝が引っかかるなどありましたらひどくなる前に医療機関へ行くことを勧めます。

転倒などの外傷でなく、膝が痛みやすいなどありましたら、カラダの使い方不良の可能性があるため、運動でも膝の痛みを軽減することも可能かも知れません。

自分の膝を理解して、快適な生活を送りましょう!!

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